徒手筋力検査法

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1 概要

徒手筋力検査法とは、徒手によって人体中の主要な筋の筋力を判定する検査法

MMT(Manual Muscle Testing)

2 方法

検査は、個々の筋、または協働して動く筋群に対して順に行われる。

多くの場合、筋を等尺性に収縮させた状態で徒手抵抗を加える、抑止テスト(ブレイク・テスト)と呼ばれる方法で行われる。

まず、対象の筋を収縮させ、被検査者にはその状態を保持するよう指示する。

検査者はその筋に伸張方向の徒手抵抗を加える。

その際の筋の収縮保持能力によって、段階づけし、判定する。

3 判定

筋力状態
5運動範囲全体にわたって動かすことができ、最大の徒手抵抗に抗して最終運動域を保持できる。
4運動範囲全体にわたって動かすことができ、中等度の徒手抵抗に抗して最終運動域を保持できる。
3重力に抗して、運動範囲全体にわたって動かすことができる。
2重力の影響を除いた肢位でなら、運動範囲全体にわたって動かすことができる。
1筋収縮が目に見える、または触知できるが、関節運動はおこらない。
0筋収縮・関節運動は全くおこらない。

4 測定上の注意点

プラス(+)やマイナス(-)付きの段階付けについて

MMTにおいて(+)や(-)を段階付けに用いるのは「3+」、「2+」、「2-」のみで、その他の段階では避ける。

MMTにおいて運動範囲内とは

「被検者が動かせる範囲」のことである。

抵抗のかけ方

いつも利き手で、抵抗力が同じになるように。

この時、体重は乗せない。

固定の仕方

固定は運動させる関節に対して「中枢固定・末梢抵抗」。

ポジショニング

同じ体位でできるものはまとめて実施する。

5 ポジショニングの例

座位(8個)

【足関節】

前脛骨筋 (背屈+内がえし)

後頚骨筋 (内がえし)

長・短腓骨筋 (背屈+外がえし)

【膝関節】

大腿四頭筋 (膝伸展)

内旋筋群  (股内旋)

外旋筋群  (股外旋)

縫工筋    (あぐら動作)

【股関節】

腸腰筋 (股屈曲)

仰臥位(0個)

側臥位(3個)

【股関節】

中殿筋(後にそらして外転)

筋膜張筋(すこし前に出して外転)

内転筋群 (内転)

腹臥位(2個)

【股関節】

ハムストリングス(膝屈曲)

大殿筋(膝屈曲で個伸展) 

立位(2個)

【足関節】

下腿三頭筋(膝伸展位での足屈曲)

ヒラメ筋(膝屈曲位での足屈曲) 

検査側の片足立位で, バランスとをとるために手の指でかるく支えておく.

つま先立ちを連続して行わせた時,