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正常歩行と歩行の異常

第1節 正常歩行

ベストセレクション「正常歩行」

1 歩行周期

教科書:1.歩行周期
用語 解説
周期 右足なら右足の踵が地面について,離れ,もう一度右の踵が地面につくまで
立脚期 足が床についている時期
1周期の60%
遊脚期 足が床から離れている時期
1周期の40%
二重支持期 両方の足がどちらも床と接している時期
二重支持期の時間は歩行の速度に関係し 速度が速くなるとこの時間は短くなる。
走行では二重支持期がなくなる。
教科書:二重支持期 教科書:立脚期と遊脚期

二重支持期の割合は?

■立脚期  □遊脚期 とすると

歩行では
右足 ■■■■■■□□□□
左足 □□□□■■■■■■
となり、二重支持期は全体の2割であることがわかる。
走行では
右足 ■■■■□□□□□□
左足 □□□□□□■■■■

歩行速度を上げていくと、二重支持期は減少し、やがては消失し、歩行ではなく走行となる。

立脚期と遊脚期はさらに次のように細分される。

図41歩行周期

1 立脚期

教科書:立脚期
①踵接地踵が床についたとき
②足底接地踵接地後に同側の足底についたとき
③立脚中期全体重がその足に乗ったとき
④踵離地踵が床を離れるとき
⑤足尖離地つま先が床を離れるとき

2 遊脚期

教科書:遊脚期
①加速期足の指が床を離れて前方へ振り出されるとき
この時期には下肢は体の後方
②遊脚中期加速された下肢が前方に振り出されるとき
体の直下を通り過ぎる時期
③減速期体の前方に振り出された足が接地にそなえて減速される時期

歩行に関するその他の用語

教科書:その他の歩行に関する用語 教科書:ケイデンス
用語解説
一歩右の踵が地面についてから左の踵が地面につくまで
歩幅一歩の距離
重複歩右なら右の踵が地面についてから,次にもう一度右の踵が地面につくまで
重複歩距離重複歩の距離
歩隔(重複歩幅)右足と左足の間隔
足角進行方向と足の長軸方向とのなす角度
ケイデンス(歩行率)単位時間内での歩数
成人の普通の歩き方では100前後

図42 stepとstride

2 歩行における重心の移動

教科書:2.歩行における重心の移動

(1)成人の重心の位置

(2)重心の上下方向の移動

1周期中に2回の移動

(3)重心の左右方向の移動

1周期中に左右にそれぞれ1回の移動

43重心の移動

図43重心の移動

 

3 歩行に伴う身体各部の動き

教科書:3.歩行に伴う身体各部の動き

(1)骨盤の回旋

教科書:(1)骨盤の回旋

(2)骨盤の傾斜

教科書:(2)骨盤の傾斜

(3)立脚期の膝屈曲

教科書:(3)立脚期の膝屈曲
二重膝作用(double knee action)

一周期中に膝関節は伸展→屈曲→伸展→屈曲する。

  1. 踵接地 伸展位
  2. 立脚中期 約15度屈曲
  3. 足先離地 伸展位
  4. 遊脚中期 屈曲位

(4)足関節の動きと膝関節の動きの関係

教科書:(4)足関節の動きと膝関節の動きの関係

44歩行におげる膝関節と足関節の動き

図44歩行におげる膝関節と足関節の動き

(5)骨盤の側方移動

教科書:(5)骨盤の側方移動

→ 軽いX脚 → 左右の重心の移動を少なく

4 床反力(ゆかはんりょく)

教科書:4.床反力

床が足を押し返す力

なとを引き起こす。

45床反力

図45床反力

5 歩行時の筋活動

教科書:5.歩行時の筋活動

歩行時における主な筋活動を示す。

前脛骨筋、脊柱起立筋歩行周期全般で筋活動
立脚期および遊脚期の移行期にとくに強く収縮
立脚期初期の前脛骨筋の強い収縮は足の底屈を防ぎ,足関節を固定する。
また遊脚期では尖足にならないように足関節を背屈位に保つ。
下腿三頭筋前進・加速性に関与
踵離地および足尖離地時に強く収縮
大腿四頭筋、ハムストリングス主に減速と安定性
股関節外転筋、内転筋安定性に関与
立脚期にそれぞれ内・外転方向のモ一メントをコントロール

 

歩杵,時の筋活動

図46歩杵,時の筋動

6 小児の歩行

教科書:6.小児の歩行

そのため

7 正常歩行の変形(歩き方のくせ)

教科書:7.正常歩行の変形(歩き方のくせ)

1)モンロー様歩行

殿部を左右に大きく振って多く歩き方

2)行進歩行

3)疲労性歩行

4)気どり歩行